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地球人会議−農業用水の役割

農業が水を守る

日本の水使用量(平成10年)は約900億トン。そのうちの約3分の2の600億トンが農業用水として使われています。この日本の農業が、貴重な水を循環させる大きな役割を果たしており、特に水田は、「水のリサイクルセンター」と言われています。環境問題の総合的な研究を行っている立正大学の富山和子教授は、次のように述べています。

「農業が水を使うということは、実は水を作り出すことなのである。日本のように滝のような急流の川では、放っておけば水は海に捨てられてしまうところを、農業用水が川を堰き止め、水を引いて、広大な面積、大地に水を張り付けてくれる。大地に張り付けてこそ、それは地下水になり川の水になる。それが私たちの使う水資源なのである。都市が水を「消費」するのとは正反対である。もしも農業が水を使わなくなったら、日本列島はその分、水資源を失うのだ」。

水田画像 主要国の農地面積とかんがい面積

水と土が地球の健康を守る

農業用水の大きな特徴は、自然界の水循環というシステムと融合した形で、無駄なく利用されていることです。上流で取水された農業用水は使用後、大部分が河川や地下水に還元され、下流で再び農業用水や都市水などに利用されています。また、水田や用水路を通るうちに、ろ過されたり酸素を取り込んだりして、水質も浄化します。

水田に使う水は、土に浸透することで窒素や塩分を取り除き、水を浄化します。また、水田は、水の確保と大雨や台風の時の洪水を防ぐなど、ダムの役目もしています。さらには、有機質の分解をゆっくりと進め、草木を腐らせ、岩石を溶かし、ミネラルを作るなど、水田は新しく入ってくる栄養のある水の力を借りて、豊かな土を保ち、表土の流出を防ぎます。

農業は地球の健康を守る大きな役割があるのです。

水田の役割 水田は天然のろ過フィルター

田んぼや農業水利施設が水循環系を構築

日本における農業用水は、全国に張り巡らされた約4万qの農業水路網により、農地から地下水、河川に還元され、農業用水や都市用水として繰り返し利用され海に到達する、という水循環系を構築しています。農業水利施設の資産価値は25兆円に及び、食料の安定供給とともに地域用水として多面的機能の発揮にも貢献しています。

河川から取水された農業用水はかんがいに使用された後、その約7割が河川に、2割が地下水に還元

農業用水の年間取水量は我が国の水資源使用量の3分の2に相当



農業水利施設の維持管理に土地改良区(水土里ネット)が大活躍

大切な農業用水を安定的に確保するためには、ダムや頭首工(とうしゅこう)、揚水機場、水路などの農業水利施設が大きな役割を発揮しています。特に、全国に張り巡らされた農業水路網は、なんと4万qにもおよび、これにより農地へ水が供給され、地下水や河川に還元。また、再び下流で農業用水や都市用水として利用されるという水循環系が構築されているのです。

こういう施設を維持・管理し、食料を生産する基盤の整備・管理を行っているのが、地域の農業者で構成する「土地改良区」です。全国でおよそ7000(道内で110)の土地改良区が構成されており、農業水利施設の約7割を管理しています。

ダムなど 農業用用はい水路

農業用水の多面的機能(地域用水)

農業用水は、かんがい用水の機能以外に農作物の洗浄など生活用水としての機能、また、防火や消流雪といった機能、さらに景観・生態系保全機能などがあります。このような多面的な役割をもつ農業用水を「地域用水」と呼んでいます。

戦後の農業開発の中で、従来の土水路がコンクリート化やパイプライン化されたことにより、生産面での機能は確かに向上しました。しかし、生活との関わり合いは次第に失われてきました。

地域用水を通じて、もう一度、生産、生活、環境が有機的に結合した新たな農村環境を創造することが今求められており、土地改良区等を中心に、地域住民が一体となった多様で魅力的な農村空間の創造に取り組んでいます。
地域用水機能 1.生活用水機能 2.防火用水機能 3.景観・生態系保全機能 4.消流雪用水機能

公園(親水・遊歩道等)

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